kayak55.com艤装のコーナー用の記事です。
今回はご質問が多い
バイキング・忍へのフラッシュロッドホルダー増設について
ちなみに、今日紹介するご自身でのフラッシュロッドホルダー増設はメーカーのサポート外なので、失敗すれば本体に大穴を開けてしまうリスクがありますので、自己責任でリスクを覚悟となりますのでご注意ください。
バイキングカヤック忍は発売以来、日本のベテランカヤックアングラーの意見を反映してデザインされた新モデルということで、とても好評をいただいているカヤックです。(僭越ながら、私ホエールの意見も一部取り入れていただきました)
実際、忍があれば、海においても、よほどエクストリームな条件下のカヤックフィッシングでなければ、おおよそのカヤックフィッシングはできると思っています。バスのカヤックフィッシングにおいては最高レベルの艇と言っていいと思います。
昔は海のカヤックフィッシングには最低12ftと言われていたのですが、この11.5ftのカヤックの登場でその常識は覆り、そして、その後のベイロマンスカヤックのコリンアスリートの登場で艇のレングスのセオリーはさらに覆されていきます。幅広の12ftのカヤックより忍やコリンの方が走る・粘るという事実。フィッシングカヤックはレングスだけではなく幅や重心などを総合して考える時代に突入したと思います。
忍は装備も最初からかなり充実していて、正直、買ってそのままカヤックフィッシングに使用することができます。そのあたりは忍の販売ページ等でご確認ください。
ここでは、今回のテーマであるフラッシュロッドホルダーに話題を絞ります。
忍には後ろのフラッシュロッドホルダーも2つ最初からついていて、正直これで実用十分です。
ただ、フラッシュロッドホルダーを増設したいという声もあり、これまでお客様と相談しながら増設をしてきました。
これがバイキングカヤックの純正ロッドホルダー
忍にフラッシュロッドホルダーを増設する場合は忍のデッキサイド上部の平面に収まりやすい、この純正がオススメです。
忍でフラッシュロッドホルダーを増設するポイントは主に2箇所となります。
【増設パターン1】
サイドのハンドルの前のエリア
(撮影協力・jinさん)
このサイドの場所はパドリング時にパドルの軌道と重なるため、漕ぐ時にはロッドを挿しておけません。
このハンドルの前へのフラッシュロッドホルダーは、ロッドちょい置き用となります。
魚が釣れた時、仕掛けを変える時などに、このフラッシュにロッドを一時的に置くと、デッキが広く使えるため便利です。
注意点としては、忍のデッキはバウ(前)に向かうほど高さが低くなっていくのであまり前にはつけられません。フラッシュが入りきらなくなります。ハンドルのちょい前のこの位置への取り付けが無難です。(どこまで前につけられるかは怖くて試せていませんが)
【増設パターン2】
後部ラゲッジの横のエリア
(撮影協力・kさん)
後ろのフラッシュロッドホルダー2点では足りないという場合の増設箇所がここになります。これによって最大で後部にフラッシュにてロッド4本までいけるようになります。
現実的には、カヤックフィッシングではロッドを4本後ろに差していかないと思いますが、例えば以下のようにロッドとネットという組み合わせにて使ったりできます。
うまく取り付ければロッドとネットが干渉しない。
ちなみに、私ホエールもこのシート後ろの位置に同じようにフラッシュを増設しています。
私の場合は、通常はセンターコンソールに前置きしたkfゴルゴ1本で釣りをしているということもあり、シート後ろのフラッシュロッドホルダーにロッドは差さないタイプです。
たまにスペアロッドを持っていく場合は、シート後ろのスターポートにアジャスタブルエクステンダー+ロッドホルダーIIにてロッドを寝かせ気味で持っていきます。
ただ、ネットだけはフラッシュに差した方が使いやすいと感じています。
同じバイキングのプロフィッシュに比べてやはりデッキ面積が狭くなる忍は、僕のパドリングではフラッシュがちょっと近いんです・・・スウィープストロークやスターンラダーなど身体を後ろにひねったパドリングをする時に挿したネットが肘に干渉しがちでした。(これは気になる人は気になるし、気にならない人は気にならないというトコロ)
そこで、ネットをパドリング時の腕の軌道から遠ざける意味で通常よりやや後ろにフラッシュロッドホルダーを新規に増設しているわけです。
注意点としては、バウ側と同様に忍のデッキはスターン(後)に向かうほど薄くなっていくのであまり後ろにはつけられません。フラッシュが入りきらなくなります。また、あまり後ろにつけるとそもそもロッドやネットに届かなくなります。今回の写真ぐらいの位置が無難だと思います。(こちらもどこまで後ろにつけられるかは怖くて試せていません)
では、その取付手順を写真を交えながら解説していきたいと思います。
写真はシート後ろのフラッシュロッドホルダー増設ですが、サイドハンドル前の場合も手順は同様です。
【手順1】
センター出し
まず、他社フラッシュロッドホルダーのようにフォームがついていないので、取り付け位置のセンター出しが必要です。(ちなみにフラッシュロッドホルダーのフォームって特に大きな意味はないのでコーキング厚盛りで問題無いのです)
純正フラッシュロッドホルダーを取り付けたい場所に当てて、その四方をフラッシュロッドホルダーの形に合わせてマスキングテープでぴったりと囲みます。
囲んだ四角のマスキングテープを定規で縦横で測ってセンター位置を出し、マジックでセンターマークを書きます。
(縦の中心、横の中心が交わるところがセンター)
【手順2】
穴あけ
フラッシュロッドホルダーは楕円形をしているのですが、その狭い方の横幅の直径は約46mmちょいです。
(うっすらと後ろにももクロちゃん)
Kayak55では大事を取って1mm小さい、45mmのホールソーを使っています。
さきほど出したセンター位置にホールソーでどぉりゃーっっと穴をあけます!
開きました!
この時にホールソーで切り出した真円の端材は、今後カヤックの補修等で使えるので取っておくことをオススメします。
【手順3】
ヤスリがけ
フラッシュロッドホルダーは楕円形なのですが、開けた穴は真円(しかも1mm狭い45mm)、当然ながらこのままではフラッシュロッドホルダーが入りません。
荒目のヤスリで楕円に削っていきます。
正直、下穴はちょっとぐらい大きめに穴を開けても大丈夫といえば大丈夫なのですが、下穴がフラッシュのネジ穴と重なると固定できなくなりますし、フラッシュ上部の四角のプレートからはみ出すと最悪の事態です。
フラッシュロッドホルダーの楕円ぴったりにした方がコーキングが劣化した際にも浸水リスクが少ないので、なるべくぴったりに楕円に削ってあげることをオススメします。
時折、フラッシュを入れながらぴったりを目指します。
この写真はまだ削りが足りないのでフラッシュが浮いていますので、もうちょっと削るわけです。
【手順3】
コーキング
穴が完成したら、アルコールのウェットティッシュで穴を周りとフラッシュロッドホルダー自体を拭いて、軽く脱脂、掃除をしてあげて・・・
シリコンコーキングを穴のまわりにたっぷりと塗ります。
フラッシュのプレート裏にもたっぷりと塗ります。
そして、フラッシュロッドホルダーをパイルダー・オン!
ぐにゅ〜っと、コーキングがはみ出るぐらいでいいです。
【手順4】
ネジ止め
バイキングカヤックは本体への艤装は基本、タッピングビスです。素材がねっとりとした弾性のあるポリエチレンなのでタッピングビスの食いつきがいいのです。(センターコンソール蓋への艤装はネジ+ワッシャー+ナットで)
この純正フラッシュロッドホルダーもタッピングビス止めです。
(購入すると4本のタッピングビスがついてきます)
2番のプラスドライバーでネジこんでいくだけです。誰でもできます。
できました!
あとは、はみ出たコーキングをウェットティッシュとティッシュで拭き取って・・・
完成です!
ちなみに僕は基本ロッドをフラッシュに差さないのですが、もしかすると今後可能性はあるかもしれないと思い、一応ロッドとネットが干渉しないようにはしてみました。
はっきりいって、手順は簡単。
特殊な工具はホールソーだけですが、これもホームセンターで手に入ります。
最大のキモは取り付け位置(フラッシュの高さがちゃんと入る場所)と、センター出しというトコロ。
忍は最初からかなり使いやすいカヤックですが、さらに使いやすくしていくと愛着もひとしお湧いてきます。
艤装追加がしやすいサイド上部のフラット面が多いのも嬉しいカヤックだと思います。