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Channel: TEAM N.W カヤックフィッシング(kayak55公式ブログ)
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デスペラードへのCWエクストラキール装着

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ロックンロールカヤックス・デスペラード

 

日本初の国産・FRP製フィッシング用シットオントップカヤック・・・

 

デザインは、あのレインボーシーカヤックスクールの中谷さん!

 

生粋のシーカヤッカーがデザインした艇だから、通常のフィッシング用シットオンとは違うシーカヤック寄りの艇となっています。速い、軽い、リーンをかけて曲がれる、パドルでのラダーコントロールでクイクイ曲がる、低重心で粘る・・・最高峰のシットオントップカヤックと言っていいでしょう。

 

昭和の時代「いつかはクラウン」というフレーズがありましたが、カヤックフィッシング界では「いつかはデスペラード」と言われています(僕が言ってるだけ!笑)

 

そのままでも十分すごいカヤックですが、オプションも充実して専用のラダーも用意されていたり、エクストラキールが用意されていたりします。

 

今日はその中で、

 

エクストラキール

 

の装着方法をご紹介します。

 

エクストラキールとは、デスペラードのスターンのキールに追加で取り付けるアイテムです。

 

効果としては、主に以下の3点が挙げられます。

 

◆スターンキールの摩耗保護(超多重積層FRPによって耐久性抜群)

 

やはり出艇・着岸時はどうしてもバウのハンドルを持ってカヤックを引きずるため、スターン側のキールを擦ってしまいます。ポリエチレン艇と違い、FRP艇は摩耗にはそれほど強くないです。いずれは、表面のゲルコートが剥げて本体のFRPが露出してきてしまい、ある程度までいくと修理しなくてはならなくなってしまいます。

 

エクストラキールを取り付けると、そのスターン側のキールにさらにFRPのパーツがつくので、摩耗してもエクストラキール部分のみとなり本体自体の損傷が避けられる利点があります。

 

◆直進性アップ

 

キール面積が増えることで直進安定性が増します。デスペラードはかなりピーキーなのでなれていない方が漕ぎすぎるとどうしてもカヤックが曲がってしまいやすい部分がありますが、エクストラキールの効果でどなたでも真っ直ぐに進みやすくなります。

 

◆ウェザーコッキング低減

 

風見鶏現象のことです。風でスターンが流される・・・スターンが流されるということは、同時にバウが反対側に流される・・・つまりカヤックが回ってしまうということになります。エクストラキールがつくとこの現象をキールが深く刺さることで少し食い止めることができるわけです。フィッシングの場合は止まって釣りをしていることが多いので、艇が回されない方が釣りがしやすいので、このメリットが非常に大きいです。

 

デスペラード用に開発されたエクストラキールは2種類あって・・・

 

ロックンロールカヤックス・純正エクストラキール

 

クライマーズワークス製エクストラキール

 

2種類から選べる形となっています。おそらく純正は注文時に同時につけてもらうことも可能だと思うのですが、クライマーズワークス製のエクストラキールは販売店か購入者個人で取り付けるしかない形です。

 

ですので、今回はお客様の艇に取り付けをおこなった時の写真を元に

 

クライマーズワークス製のエクストラキール

 

の取り付け方をご紹介します。

 

取り付け方は簡単、「貼り付ける」のみ。

 

デスペラードへのエクストラキールの貼り付けには

 

2液性のエポキシ

もしくは

シリコンコーキング

 

を使います。

 

個人的にはシリコンコーキングの方がスターンが何か障害物にあたった時にもショックを吸収するし、なにより作業もしやすい(失敗しにくい)し、最悪、うまくやれば剥がすこともできるのでエクストラキールの貼り付けにはオススメです。

 

ということで、今回はシリコンコーキング材を使ったエクストラキールの付けかたをご紹介します。

 

これがクライマーズワークス製のエクストラキール!

 

カラーはブラックのみ。

 

ハンドメイドのエクストラキール、めちゃくちゃ美しい仕上がります。

 

ほぼデスペラードのスターンの形状にマッチしているのですが、どうしても隙間はできてしまいます。さらに、使い込んだデスペラードでスターンが削れていたりすればより隙間ができてしまうわけです。

 

接着せずに合わせてみるとわずかな隙間がでます

 

このエクストラキールとデスペラード本体にできた僅かな隙間を埋める面でもシリコンコーキング材はかなり有効だと考えています。(これまで、kayak55ではたぶん10艇ぐらいはこの加工をしていますが、目立ったトラブルは出ていません)

 

ではその取り付け方の手順に入りたいと思います。

 

まずは

 

アセトンで脱脂します

 

アセトンをタオルやウエスに含ませて拭いて脱脂して、接着のノリを良くしてあげます。

(※ビニール手袋必須!)

 

まずは接着剤やコーキング材なしでエクストラキールをしっかり押し付けてハメてみます。

 

マスキングテープをエクストラキールギリギリぐらいになるように貼っていきます。

 

1mmぐらい余白が出るカンジで貼ってみます

 

コーキングの場合は液垂れはほぼないのでここまで貼らなくていいのですが、とりあえず大きめに貼って作業しやすいようにしてみました。

 

エクストラキールはブラックなのですが、シリコンコーキングはハルが白ならホワイトがオススメです。(ハルがブラックなら当然コーキングもブラック)

 

シリコンコーキングの量は最終的なエッジの仕上げも考えると1本だと微妙に足りない感じなので、用意するのは2本。(2本目はちょっとしか使わない)

 

コーキングガンにセットし・・・

 

奥の方からコーキングを入れていき・・・

 

ケチらず全面にたっぷりと塗ります。

今回はコーキング1本分を使いきりました。

 

再び本体に装着し、ぐに〜っと押し込んでいきます。そうするとコーキングがはみ出してくるので、それをキレイに取り去っていきます。

 

その時にあると便利なのが・・・

 

こういう直線部を持ったコーキング用のヘラ

 

ヘラで仕上げるとやはり仕上がりがキレイになります。

 

サイド部分はコーキングのはみ出しがちょっと足りないので・・・

 

コーキングを追加注入しておきます。

 

コーキングヘラを使って・・・

 

直線を作っていきます

 

こんなカンジのエッジを作りながら、ヘラでエクストラキールを一周させます。

 

アルコール入りのウェットティッシュもあると便利です

 

エクストラキールの上についてしまったコーキング剤は乾いていなければアルコールのウェットティッシュで簡単に拭い去れます。

 

エッジについたコーキングもうまいこと拭き取ります。

 

いい感じ!

 

ここまできたら、コーキングは液垂れはほぼないので、乾ききる前にマスキングテープを剥がします

 

マスキングテープを使うことで仕上がりが直線的にキレイになります。

 

マスキングテープを剥がした後でも、なんなら乾いてしまった後の追加でも、仕上がりが甘い部分を修正できるのもコーキングのいいところ。

 

よし!

 

完成です!

(だいぶ内部までコーキングがたっぷりなので、完全硬化は晴れて乾燥した日でも数日かかると思います)

 

ただでさえ性能が高くカッコいいデスペラードが、さらにパワーアップ。黒い色のコントラストもめちゃくちゃカッコいいと思います。

 

デスペラードをお持ちの方はご自身での装着も簡単だし、必要な道具もホームセンターで揃うものだけなので、やってみる価値はあると思います!


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