ホエールです。今日は
コルジグ!
の近況について・・・。
もう開発に入ってから何年が経過するのか・・・・
たぶん7年ぐらい!?8年ぐらい!?
最初はカヤックフィッシング仲間の、こるさんの自作ジグがとても使いやすい!ということが全てのスタートでした。
(一番右の青いジグが超超初期プロトで形状が違います)
こるさんの作る、ハンドメイドのプロトタイプを最初に使わえてもらった時に感動したのです。
とにかくカヤックから使いやすいのです。水深10m以上〜水深60mぐらいのジギングでもっとも使いやすいと感じたジグでした。もちろん風が弱い日ならフォールを気長に待てば100mぐらいまではぜんぜん使えます。
コルジグのなにが使いやすいか・・・
◆テーリングがかなりしにくい
◆1本でいろいろなシャクリに使える
◆1本でいろいろな魚種を狙える
カヤックから使っていると、通常のボートとはシャクリの範囲が違うこともあってか、どうしてもフロントフックがリーダーに巻き付きやすいジグがありました。よく釣れるけどストレスが大きいんです。
さらにカヤックからのシャクリに合わないジグだとしょっちゅうテーリングしてイライラすることも。テーリングすると、一瞬「キタっ!」とか思っちゃうし(笑)それが深いとそこから上げてくる時間の無駄なことこの上なし。
また、スローに特化して使うならいいけど早めのピッチだと使いにくい。逆に速いピッチで使いやすいけどスローではフォール姿勢が悪い、落下が早すぎるなどもあります。
もちろん、このあたりはジグを数種類持っていって使い分けていけばいい話です。スローにはこのジグ、ハイピッチにはこのジグ・・・など、それぞれに特化したジグを使うことで楽しさもアップするし、釣果も伸びると思います。
でも、それぞれをそこそこにこなしてくれたら持っていくジグも少なくなるし、1本でいろいろ使えたら奥が深くて楽しいという逆の考え方もあると思います。これって、まさにkayak55のロッド、KFゴルゴのコンセプトにもマッチします。
KFゴルゴもジギング専用、キャスティング専用、餌専用、エギング専用ロッドなどそれぞれの特化したロッドにはそれぞれの分野では劣りますが、PE1号クラスの釣りであればゴルゴ1本でそれら全てをほぼ網羅できるマイルドな調子に仕上げ、1本でいろいろな魚種を狙うことができるロッドを目指し、実現しました。
ゴルゴは毎回少量生産のハンドメイド。注文時に仕様変更をしようと思えばできるのですが、今のところ発売当初からまったく変わっていません。こんなに長くモデルチェンジしないロッドも珍しいと思いますが、その必要がないと思っているからしないのです。
そして、コルジグも同様で、ハーフピッチ〜ワンピッチでスローに使うジグですが、早めのワンピッチでもそれなりに使えて、ロングフォールもそこそここなす。1本でいろいろな魚種を狙う上でとても便利だったのです。
このジグを元に量産化したい。世に広めたい!
そして徐々に形を変えていったプロトタイプでたくさんのアングラーの方にお手伝いもいただいてテストを重ねていきました。
すると、手練のアングラーさんによって、コルジグ1本で様々な魚種がGETされていきました。
形を決めていく上でもっとも釣っていただいたのは
FISHBONEさん
フィッシュボーンさんの釣果のごく一部です。ビッグ真鯛を数々釣っていただいたのにくわえて、深海まで沈めてキンメをはじめディープエリアの魚もたくさんGETしていただきました。
そして
開発者のこるさん
さすがのブリGET、コルジグ開発期において衝撃が走りました。
そして僕もハタ系やイナダとかヒラメとか・・・当時のホームページ閉鎖でこの頃の写真が見つからない!
本当に感謝感謝です。製品化のあかつきにはまたしっかりしたものをお送りしたいと思っています。
これはもう形は決定だ!
ただ、kayak55のような弱小ショップとしては金型を作って数千個っていうわけにはいかない。
量産の壁にぶち当たりました。
形は決まって、あとは作るだけなのに、量産化には様々な現実的なハードルが待ち構えていました。
ステンレス線の曲げをどうするか、鋳造をどうするか・・・・
さらに塗装をどうするか・・・
まずプロトタイプではアワビ貼りが良かったのですが、実際にアワビ貼りで作るとコストが高すぎて、販売時に3000円をゆうに越えてしまうことが計算されました。これはジグ1個の値段として高すぎる・・却下するしかない。
普通にホロを貼ろうかな〜と悩んでいた時に、真空蒸着メッキをお仕事にしているNさんからお声かけいただき、
真空蒸着メッキにチャレンジ
してみようということになったのです。
メッキはアルミよりもホロよりも反射が最も強い。まさに多面体のコルジグには最適ではないか。最高の反射というのがいい!
Nさんのおかげでステンレス線や鋳造をやってもらえる工場も見つかりました。ブランクはゴム型でのハンドメイドです。
茨城でステンレス線加工
東京でゴム型で鋳造
茨城でメッキ加工とコーティング
しかし、そこにもまた壁が・・・・作ったブランクにちょっとでも傷があるとメッキが乗らないのです。ホロやアルミを貼れば隠れてしまう下地を超キレイに磨かなければならないのでした。
焼き上がったブランク
バリ取り
サンディングを番手を落としながら個人で磨きをかけてプロトを作りましたが、やはり限界がありました。
自分ではそうとうキレイにしたつもりでも、どうしても見えない傷が原因でメッキがその部分だけ上手く乗らないのです。
通常のメタルジグならば、ここまで磨かない段階でホロを貼ればOKでも、コルジグはそれではダメなのです。
ここでまた計画が頓挫してしまいました。
しかし、それもまた、Nさんや力丸さん、いろいろな方とのつながりの中で、さまざまな企業の方のご協力があってひとつひとつをクリアしていけました。
鋳造したメタルジグを
東京で研磨
東京で表面処理
つまり工程がその分多くなります。だから・・・値段は安くはなりません・・・。
うおーー!この仕上がりならメッキが乗るでしょう!
この表面を磨きに磨いたブランクを持って茨城の工場に行き、メッキ加工をしていただきました。
そして上がってきたのは素晴らしい輝きのコルジグでした・・・・
ついにメッキが乗ったー!
釣果もバッチリでした。
このキレイにしたブランクのみ、またメッキがかかったテストブランクの時期にテストでたくさん釣っていただいたのは
力丸さん
アマダイにも意外に効くコルジグ!
Kさん
コルジグ1本でこれだけ多種多様な魚が釣れることを証明していただきありがとうございます!特にヒラメ連発劇はヒラメにコルジグというイメージが強く持てました。
そして、僕もちょいちょい。
こう見ると意外にアマダイがよく釣れてますね!
こうして皆さんの釣果とずらりと並べてみると、やはり魚種のバリエーションに富んでます。コルジグの釣り、面白いです!
とにかくいろいろな魚種を1本で釣るというコンセプト。それがメッキが入りさらなるパワーアップを遂げたと思います。
後半はユタさんにも参加いただいて使ってもらったりもしました。
ここでいける!と思ったのですが・・・
やはりメッキはナーバスだったのです・・・
テスト釣行をしてくと、通常のルアーと同様のコーティングでは
すぐにフックと当たる部分が塗装が剥げてしまうことが判明。アイからも侵食が始まります。
こ・・・これでは売ることができない・・・・
そうなると、これは・・・
千葉のkayak55で(笑)最終コーティング
するしかない!
しかし、これが良いコーティング材を見つけるのに苦労した上、湿気によってはすぐに黄ばむ。相性の良いコーティング材を探しつつ、乾燥した冬を待つことにしたのです。
ディッピングテスト
コーティング剤が先日決まり、あとは最終テストを待つのみとなりました。
って・・・何回最終テストしてるんだー!
この冬〜春先にそれなりに数通ってシャクリ続けてコーティングの強度が確かめられれば、春には発売できるのではと考えています。
どんなジグだっていつかは塗装が剥がれるものでコルジグだって使用していればそうなるわけですが、それでも価格はどうしても高くなってしまうジグ。それなりには持ってくれるコーティングにはしたいのです。
こんな長い遠回りもたくさんの方と出逢えたことは幸せだったと今は思えます。
ようやく道筋は立ってきたコルジグ、もしよかったら発売された折には一度手に取ってみていただければ幸いです。もしかすると、さすがにこのメッキ仕様は最初で最後になるかもしれません。
来年の春暖かくなってきた頃には少しづつ発売していけるように、もう少しテストを繰り返してみます!
あ!
あとひとつ書き忘れました。
コルジグ・・・・
E.S.Oは無限に釣れますよ!(爆)