月曜日の定休日は爆風予報でお店でこれを作っていました。
今日久々の入荷となりました。ぜひよろしくお願いします。
まだ作り終えてないブランクがあるのでもしも売り切れたらまた追加で作ります!
さて!
いよいよここからの冬はコレのテストに入っていきたいと思っていました。
Bifarrのティップランロッド「フェイザー」のプロト第一号
ティップランロッド、僕が欲しい欲しいとbifarrさんにアピールしてテストロッドを作ってもらったのです。
カヤックフィッシング用ティップランロッドといえば、僕のティップランの師匠であるTEAM BANZY田吾作さんが作った名作スミス・パドリストがあります。本当に素晴らしいロッドです。ただ現在は生産されていないのではないかと思うのですが手に入らない・・・。
やはりBifarrからもカヤックで使いやすいティップラン出すべきではないかと思ったのです。
もちろんそれはパドリストのコピーではいけません。カヤックティップランには僕なりの考え方があってそれを形にできればな〜と思っています。
今回のロッドで僕がこだわりたかったのは
◆レングスとグリップ長
カヤックフィッシングにおいては僕はやっぱりあまり長い竿だと使いづらい。でも短すぎると同じシャクリをしてもエギの跳ね上がりが小さくなる。カヤックでの使いやすさとアクションの出しやすさの最適解を出していきたいと思っています。グリップ長も同様でカヤックに座った状態でシャクってグリップエンドがPFDに引っかからず、フラッシュロッドホルダーなどへの収まりのいい長さにしていきます。
◆ティップの折れにくさ
ティップランロッドといえばティップだけが極端に柔らかくてその下からパリっとしているもの。それは当然ティップランエギングで必要な調子。でもそれゆえにカヤックで使うと無理な体勢で無理な角度でシャクリが生じたり、微風・無風状態だとキャスティングが必要になって、ティップだけに負荷が集中して折ってしまうケースが多々あるのも事実。そこで、これまでのティップランロッドのテーパーの常識をちょっと変えて解決したいと思っています。具体的にはティップの下のエリアに第二の曲がるエリアを設けてティップが受ける負荷が強くなりすぎたらその下のエリアが曲がって受けてくれるようなイメージです。それによって美しいベンディングカーブも生まれて釣り味が上がる点も個人的にはいいなと思っています。そのため通常のティップランロッドとは印象がだいぶ違う感じになると思います。
◆ラインの送り出しのしやすさ
カヤックで多い状況となる微風・無風状態でのキャスティングティップランにおいては、エギはフリーフォールさせなければならないのでロッドを振ってラインを出して水面に浮かべ、そのラインが引き込まれ方を見て着底を取ります。そのラインの送り出しのしやすさがけっこう重要な要素だと思っています。通常のティップランロッドはティップにいくに従って小さく細かいガイドがたくさんついているケースが多いのですが、フェイザーではその常識にはとられずにロッドを振ってラインを出していきやすいようにちょっと大きめ&間隔広めのガイド設定をしたいと思っています。
また、カヤックでティップランをしていて多いトラブルがティップへのライン絡み。無理な体勢で無理なティップとラインの角度でシャクるとどんなティップランロッドを使っていても起こることですが、そんな時に小さくて細かいガイドに細いPEが絡むと末期的にほどきにくいんですよね。ほどくのに悪戦苦闘していると0.6や0.8号のラインが傷んでしまったり。これがちょっと大きめガイドだと簡単にほどけるんです。そういう意味からもガイドはだいぶ通常のティップランロッドとは違うものになっています。
とはいえ、机上の空論ではどうしょもない。
やはり現場で使ってみてこれらを確かめていかなければなりません。そして直すべきところは直して「カヤックからとても使いやすい」ティップランロッドにしていきたいです。
今回はそのプロト第一号を持って、まずは55ハウスのある三浦半島Nの海にやってきました。
今日のウエアは現在好評発売中のbifarrのコディアックドライスーツ+PFDはオルノスハイバックの組み合わせでいきます。ことエギングではイカスミ対策で黒のドライスーツがいいんですよね(笑)
そして実はこれも開発中の防水ウエストバックのプロト
これについてはまた今後しっかり特集します!
艇はバイキングカヤック忍pro(クゼ・ヒデオ号)
実はついついいつもの癖でパラシュートアンカーを忘れました(涙)ティップランエギングに関しては状況に応じてパラシュートアンカーを入れた方が圧倒的にやりやすいです。次回からちゃんと積んできます!
でも、正直なところちょっと今回は自信がなかったんですよね。
このNの海、晩秋は非常によくアオリイカが釣れる場所なのですが、これまでの経験上、12月下旬ともなるとアオリイカの釣果が厳しい記憶しかないんです。
冷えれば冷えるほど大規模な群れが抜けていくような印象があって、アオリイカの越冬はNの海沖ではないちょっと違う場所でしているような気がしています。
でも、まったく釣れないわけではなくて、過去には1月にも少ないながらも釣果は出ています。
その厳しい海で釣果を拾っていければホンモノかなと。
あとは今後は冬場の釣果の印象がいい館山方面でのテストも必要になってくると思っています。
GO!
朝日を浴びながらのNの海、最高に気持ちいいです。ちょっと久々に来たけどやっぱりこの海は落ち着きます。
まずはなんといってもノーマルウエイトのティップラン用のエギ(30g前後)が一番出番が多いわけで、それを試していきます。
この日の予報的には朝は北の風がやや強く、昼に向かって風がやんできて昼過ぎに一気にベタ凪、夕方前から逆の南の風が入りだすというもの。
朝の風では時速1.5km前後で沖方向に流されていくのでちょうどティップランにいい風速でした。
久々のNの海。アオリイカの現在のいどころはわからないので、水深10mちょいからスタートして15m、20m、25m、30m、35mと探っていきます。その途上で40gや50gのエギも試していこうと思います。
流し始めてすぐに分かりました。このプロト第一号は・・・
ノーマルのティップランエギ(30g)だとティップの入りがやや甘かった(ガーン)。もちろんじゅうぶんできる範囲だし、当たりが出れば分かるレベルですが、ここは修正が必要です。もうちょいティップを柔らかくします。
そしてシャクリ始めて分かりました・・・
ティップの下のエリア、第二の曲がるゾーンが柔らかすぎたー。
いやコンセプトとしては合ってるんです。
ですがそれぞれのゾーンのパワーの調整が必要です。これはセカンドプロトを作る時に反映してもらいます。
水深20mのエリアで一度ティップがバインとなるバイトがありましたが、これは魚のバイト。ティップランロッドを使うとそれがよく分かりますね。
しかし、それ以降はまったくバイトがもらえないまま時間が過ぎていきます。
水深30mラインまで到達してしまった頃には風がやんできました。
風がなくなってカヤックが流さなくなっている状態で真下にティップランエギを落としてもシャクった後のエギは水平移動をしてくれません。そのため、キャスティングが必要になってきます。
風が落ちたらティップランエギをキャスト!
もちろんキャスティングロッドとは違ってキャスティングフィールがすごくいいわけではなく、よっこらしょキャストにはなるのですが、30g、40gと投げてみましたが不安感はありません。キャスティング時にティップの下にもう一段回曲がるゾーンで負荷を受けられるのが効いています。
当たりがもらえないのは変わらず、最終的には水深35mゾーンまで来ました。ここでエギを50gにチェンジ。さすがにこのクラスになるとオーバーヘッドで振るわけにはいかないので、バックハンドのちょい投げで角度を作っていきますが、第二の曲がるゾーンの反発で投げやすく、シャクリも不安感なくいけました。
やっぱり第二のクッション的なエリアを作るコンセプト自体は間違っていない。
ただ、ちょっとその第二ゾーンのパワーは上げたい感じ。
そんなこんなでも当たりが出ず、だんだん追い込まれてきました。
最初のテストからボウズは避けたい。魚探の航跡を見ながら今日やっていない場所、今日やっていないラインを流していきますが、当たりがこない。
漕ぎまわって漕ぎまわって大きくサイドチェンジしても結果が出ず、ついに昼ごろになり朝イチで流した水深15m前後の根に戻ってきてしまいました。
風はほぼ無風に変わり、完全にキャスティングティップランをする状況です。でも潮は満潮前の7分〜8分で今日一番流れています。諦めないぞ。
すると・・・・
キター!?
え?激軽なんだけど・・・新仔?
タコでした・・・(リリース)
でも生命体がいるのは悪いことじゃない。このエリアを丁寧に探ってみよう。
キャスト後にロッドを振ってラインを水面に出して引き込まれ方を見て着底を取る。このラインの送り出しは想像どおりやりやすく、ガイドサイズはこれでOKでいいと思います。とても良かったです。
5回ワンピッチでシャクリ、その後ロッドをさびいてエギを水平移動・・・・
ティップが入った!?
うぉ〜乗った〜!
美しいベンディングカーブというコンセプトも方向性は合っている。竿の曲がりを楽しみながらのファイトも気持ちいい竿だ。
最初引きがのっぺりしていてコウイカかと思ったのですが、上がってきたのは!
アオリイカようやく獲ったどー!
ヒットエギはヤマシタ・エギ王TR。水平移動時の姿勢が作りやすくて個人的に抜群に気に入っています。
記念すべきフェイザーでの初アオリ。ほぼ終了間際の1杯、サイズはさほどでもないですが嬉しかった・・・。今日はかなり厳しかったけど、その分絞りだした1杯は最高でした。
ここが時合だったと思うのですが、このあと2回イカのバイト、1回魚のバイトがありました。
2回めのイカのバイトはティップが戻るアタリが出て、すかさず合わせて乗せて、これぞティップラン!という熱い展開だったのにバラしてしまいました。腕の問題でした・・・。
その時合もすぐに終わり、満潮を迎えるとパタリとアタリもなくなったので着岸することにしました。
55ハウスに戻って風呂を浴びて、年内はもう55ハウスには来ないかもしれないので掃除して。
獲物一匹ゴミ一個運動
さっそくbifarrロッド担当のジャクソン横川さんに電話をして、今回感じた問題点をセカンドプロトでは修正してもらうよう依頼しました。
セカンドプロトが上がってくるまではしばらくは引き続きこのファーストプロトでの釣りになりますが、冬の間はフィールドに通ってさらにテストしていきたいと思います!
今日遊んでくれた海とイカに・・・感謝!