ホエールです。
今日はスペアパドルの重要性についてです。
昨日、お客様のmonsaruさんからメールがとどきました。
以下、monsaruさんからのメール
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ホエール様
久しぶりに連絡します、monsaruと申します。
20分ほど漕いで着いたポイントで潮の流れが速く手こずって、あっちこっちに移動しながらお魚の反応を探していたところ、右手の漕ぐ手に無力感が。。。
ブレードが根本から無くなっていました。
こんなこともあるのですね。
プチパニックです。
シングルパドルの状態で漕いでみたけど、埒が明かない。
そうだ!スペアパドルだ!
初めてのチャイナパドルが役に立ちました。
あって良かったスペアパドルのお話でした。
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まずは無事に戻ってこられて、こうしてメールをいただけて本当に良かったです。
そして、今回はひとつの教訓としてご紹介させていただきました。
パドリングのカヤック(手漕ぎのカヤック)はパドルのみで進んでいきます。そのシンプルさが僕にはたまらなく魅力なのですが・・・・
逆に言えば1本しかないパドルが折れるまたは流出する等があると、カヤックはいきなり推進力と舵を失い、大海原を木の葉のように漂う物質に一瞬で変わってしまいます。
足漕ぎのカヤックとパドリングのカヤックはそれぞれに魅力があり、どちらが良いかどうかはアングラーのスタイル次第です。
足漕ぎのカヤックは機械モノですから、ラダーが不調になるかも、ラダーのケーブルが切れるかも、ラダーのレバーが折れるかも、フィンやペラが脱落するかも、チェーンが切れるかも、ドライブのギアが噛むかも、ドライブのシャフトが折れるかも、ペダルが取れるかも・・・・壊れる可能性がある箇所が多いです。
※それがダメということではなく、そういう乗り物だとして理解してメンテやチェックをしっかりやることが重要だということです。
パドリングのカヤックの素晴らしい点は
カヤック本体以外には故障する箇所はパドルのみ
という点は挙げられます。
パドルもモノである以上、壊れる可能性はあります。
(今回は正直なところ、メーカー側の製造上の不良だったのではないかと個人的には思っています)
今回のmonsaruさんのような事例を聞くと、やはり、パドリングのフィッシングカヤックに乗る上で、スペアパドルはマストではないかと感じずにはいられません。
monsaruさんのようにスペアパドルがあれば故障によるリスクはほぼゼロに回避できます。
(メインパドルとスペアパドル両方が一緒のタイミングで壊れるというのはあまり想定しにくい)
個人的にもカヤックで海に出る時は必ずスペアパドルを積んでいます。
幸いにも僕はメインパドルがダメになってスペアを使わなければいけないシーンに遭遇はしてはおらず、もしかするとこの先も一度も使わないかもしれません。ただ、万が一を考えるとスペアパドルを積まずに海に出るのはとても怖いです。スペアパドルを積むことで精神的にも安定しますよ。
スペアパドルを設置する位置ですが・・・・
スペアパドルが水流を受けないデッキ上
再乗艇やパドリングに邪魔にならない位置
シートに着座した状態ですぐに手が届く位置
であることが条件となります。
足漕ぎのカヤックではサイドのパドルホルダーにつなげた状態でパドルを装備していますが、これは足漕ぎのカヤックはサイド面が非常に高い(喫水が浅い)ので基本的にはサイドに設置したパドルのブレードが水流を拾わないからです。
パドリングのフィッシングカヤックもいろいろですが、通常操作性を考えているモデルは喫水が深めで水面から出ている高さが低いものが多いです。
パドリングのカヤックでサイドのパドルホルダーにスペアを取り付けた状態で設置すると、荒れた時にパドルのブレードが波を拾ってしまい、バウが回転してしまったりして、コントロール不能になる危険にも繋がります。
パドリングのカヤックではサイドのパドルホルダーは基本的に陸上の運搬時にパドルがコロコロ転がったり脱落しないようにするためのもので、スペアパドルの設置には向かないと思ってください。
パドルが折れる状況はもしかしたら荒れているかもしれません。ぜひスペアパドルが水流を受けないデッキ上に置いていただければと思います。
また、手が届く位置というのも重要です。
バウのハッチの中に4ピースパドルを分割して入れておくなどすると、実際に使用したい時は一度海に飛び込まなければいけませんから・・・
僕の場合はスペアパドルは足元先〜バウにかけのデッキ上に設置していますが、これはあくまでも僕の場合で、スペアパドルを装備する位置は、お乗りのフィッシングカヤックのデザインによって人それぞになります。
カヤックによっては後部ラゲッジが広くクーラーの横に差し込んでいる方もいますし、クーラー自体に設置する方もいます。また、4ピースパドルを股の間のハッチに入れている人もいます。
いずれにしてもシートに着座した状態で、万が一の時に、サッと取れる、シートに座った状態で手が届く位置であることが重要です。
海上で1本しかないパドルが流出したら・・・・折れてしまったら・・・
スペアパドルは安いモデルで十分なので、ぜひご検討ください!