2月19日におこなわれた
JSCA主催「事故に学ぶリスクマネジメント」研修会
の中編です。
どんだけ前編から時間かかってるんだー!すいません・・・・なかなか時間が取れなくて・・・
しかも、書き上げてみたらブログの文字数オーバーとなってしまったため、今回は急遽・・・中編です。後編は金曜日に掲載いたします!
前回同様に、このレポートもイベントの内容を報告させていただきながら、私自身の感想や考えは青字で書いてみようと思います。その青字はあくまでも僕個人の感想なので、青字の部分が誰にでも正しいわけではないということをご了承ください。
〜先日からのつづき〜
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次に登場されたのが
内田正洋さんといえば、シーカヤックの世界で知らない人はいないと思います。僕もカヤック雑誌の連載をずっと読ませてもらっていました。またシーカヤックのみならず、海洋ジャーナリストとして幅広く活躍されています。
今回は海保安全推進アドバイザーの立場として以下のようなお話がありました。
シーカヤックの事故も年々増加傾向だが、シットオントップカヤック、SUP、水上バイクなどの事故が増えている。
調べていくと、カヤックは特にシットオンの事故が増えているが分かった。
もちろんシーカヤックの事故もあるが、シットオンとSUPの事故が、要するに人口が増えているために、かなり多くなってきている傾向にある。
保安庁はレスキューが専門だからこれらのマリンレジャーのことに疎い部分があって、ツーリング用のシーカヤックとシットオンの違いもあまり分かっていないところがあり、そこでアドバイザーになった。
アメリカではコーストガードとユーザーとの距離が近い。日本の海上保安庁でもそのようにしていきたい。
また、今後は海上保安庁のホームページにカヤック、カヌーの安全情報を掲載していく方向である。
内田さんは昔からロングツーリングに行く時は自分からすすんで海上保安庁に航行計画、行事届を提出に行ったりしているそうです。(山で言うと入山届のようなイメージ?)そんな感じで、みんなも自分からどんどん積極的に海上保安庁に接触して活用してみてもいいじゃないかという提案がありました。
ここから以下の青字は僕の感想です。
シットオンの事故が増えているということで、それは間違いなく僕らフィッシングカヤックの増加が一因だと思うのです。
たとえ死亡事故まではいかなかったとしてもシットオンで事故が増えていると実際にこうして言われると、やっぱり僕らが反省すべき点は多いと思います。
フィッシングカヤックは、僕もそうでしたが、経験値ゼロからいきなり海に出ていくケースが多いです。それが事故につながるケースは多いかもしれません。
僕も初年度は特にそうでした。陸っぱりからいきなり水の上に出ていくことはパドリングスキルや天候や海況の読みの不足は否めない部分はあります。
僕とタツノリ君が始めた頃はまだ携帯はガラケーで、風予報情報も細かいものが存在していなかったので、かなり予報に裏切られてました。
正直な話をすると、何度かやばいっていう時がありました。「今思うと一歩間違っていれば危なかった」・・・反省は多いです。
でも、初心者お断りでは文化は育ちません。
初心者であること自体を恥じることはないし、趣味の世界でベテランが偉いっていうこともないし、と僕は思っています。
誰でも最初はみんな初心者なのですから!
(慣れてきた頃が一番危ないということはどの世界でもよく言われることですが、ベテランでも事故を起こしてしまう可能性がある、それが水の上に浮かぶということだと思いますし)
だからこそ、カヤックの安全に関しては、やっている年数や経験値で区別なく、みんなで平等に取り組んでいくべきテーマだとも思います。
パドリングスキルに関しては、行ける範囲にカヤックスクールがあれば、シットオンもシットインのツーリングカヤックも基本のフォワードストロークのフォームは一緒ですから、一度でもいいので適正なフォワードストロークのフォームを習いにいくだけでもぜんぜん違ってくるはずです。そういう流れを作っていけれたらいいですね。(JASCAさんの公認スクールはシットオンへの理解もとてもあると思いますから行きやすいと思いますよ)
そして、内田さんが取り組もうとしている「保安庁さんのページにカヤックカヌーの安全情報の掲載」という計画は本当に素晴らしいと思います。
kayak55.comはポータルサイトなので良い情報はどんどん紹介していく役割があると思います。これから先、どれだけのことができるかはわかりませんが、海上保安庁さんの情報もこれまでカヤックフィッシングに関連しそうなものを見つけたらリンクしてきましが、これからもより一掃アンテナを広げていき、今後もできることはどんどん取り組んでいきたいとあらためて思いました。
カヤックビルダーの立場からの安全面での以下のようなお話がありました。
ビルダーとしては、もしも自分の作ったカヤックで事故があったら本当に悲しい。
FRPは2mmしかない、こんな薄いもので海に出ているのはカヤックだけである。
荷物と人が乗った状態で陸に上がればダメージは大きい。
引きずりはNG。なるべく引きずらないことを心がけて欲しい。
ポリエチレンはもう少し分厚いが、でも基本は一緒、なるべくひきずらない方がいい。
ツーリング用のシーカヤックでありがちなのがシート周り。石が挟まって、挟まった状態で乗ることで穴が空くことがある。この状態でオンザロックしてそれが中央だと大変危険である。
あとはハッチ周りも注意して欲しいところ。
夏にひっくり返ったりして浸水チェックをぜひやってほしい。
艇のチェック不足での事故もある。(たとえばハンドルが切れそうなのに気づかずに持っていて足の上に落として骨折とか・・・)
だから、劣化、ネジの緩み、穴が開いてないか。
「艇そのものにもっと興味を持って欲しい」
カヤックが原因で起こる事故もあるので、ぜひ日常的なチェックをして欲しい。
ここから下の青字は僕の感想です。
これは僕は大反省をするところでした。
僕は正直、カヤックの扱いが雑です。砂浜が短ければザザーっと引きずっていってしまいます。
ドレンプラグだけは必ず毎回チェックをしますが、その他の部分は基本ノーチェック。
今回のお話で自分ができていたのは、再乗艇練習はよくやるってことぐらいでしょうか・・・。
おそらくですが、たとえばデスペラードやファルコン、コリンアスリートのようなFRP艇の方はかなり大切に自分の艇の状態をチェックしているのではないでしょうか。クラックが入ったりすれば自分でゲルコートでメンテしたりすることも日常的です。
逆にポリエチレン艇は、とかく丈夫なだけにチェックやメンテがおろそかになってしまうところがあると思います。扱いも乱雑になりがち。
よくよく考えればポリエチレン艇も4mmぐらいの厚さのものに命を乗っけて大海原に出ていくわけで、薄いものに乗っていることは変わりません。
日頃から艇をもっと可愛がっていくべきです。
砂浜用のMSカヤックカート・・・最近忘れがちだったので車に常時積んでおこう。
また、今回は話は上がりませんでしたが、ラダーであったり、足漕ぎカヤックは便利なものである反面、機械部が増える=故障箇所が増えるわけで、すでにお持ちの皆さんはもちろんやっていることで今さらかもしれませんが、手漕ぎカヤック以上にしっかりとしたチェック・メンテが必要になってくると思います。
これから日本一周にチャンレジするということ。
ご参加のツーリング派のシーカヤッカーの方々から準備や海図についてなどたくさんの質問が飛んでいました。
その中で飯山さんから紹介された機器がありましたのでご紹介しておきます。
このアイテムも日本一周に持っていくそうです。
個人で使う救難信号発信機。
いざという時は全世界をカバーする人工衛星が救助信号をキャッチしてくれるというものだそうです。
電源を入れるとなんと5年そのまま使える状態が保たれるそうです。
ただ、使用には無線局の許可が必要。本人以外は使えない、等の制約はけっこうあるとのことです。
価格も高いですが、特に日本一周では携帯電話が入らない地域もあるでしょうから、有効なアイテムですね。また、カヤックフィッシングにおいても、携帯が入らないようなエリアでやっている方は、安全を最優先に考えると持っていても損はけっしてないアイテムでしょう。
飯山さんのお話で参考になったのは
「日本一周では、なるべく使い慣れたものを使っていく。使い慣れていないものはあらかじめよく使い込んでおく」
というお話。やはり現代的にデバイスのバッテリーを多めに持ち込んで、気象情報などはインターネットからの情報を旅の間もかなり活用していくそうです。
ここから先の青字は僕の感想です。
「なるべく使い慣れたものを使っていく」これって日本一周にかぎらずとても大切なことだと思うんです。
逆に言えば、何かを新しく導入した時には使い慣れておくことが必要だということですよね。
たとえばですが、安全面のアイテムの一例としてパドルフロートを買っても使い方に慣れていないと、パドルフロート使用での再乗艇を練習していないといざという時まったく役にたたないわけです。
他安全面での道具、例えばナイフやストロボライト、スペアパドルやホイッスルやリューシュコードなどなど・・・どれもそうですが、いざという時にさっと使える状態を作っておくことが必要だと思いました。
今年はまたセルフレスキューの練習もあらためてやろう!
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ここで昼飯休憩タイム!
で・・・・気づいてしまいました。
僕とウノケンさん、昼飯買ってきていないことに(ガーン)
このエリアには徒歩圏内にはコンビニがない。あぁ〜なんで行きのミニストップで買わなかったのだ〜
絶望の淵をさまよっていた時!
RIMさんが、サンドイッチを分けてくれました!
(どんだけ甘えてるんだ!)
ウノケンさんとふたりでサンドイッチを分けてむしゃぶりついてました(笑)。いやぁ〜生き返った!
RIMさん、ありがとうございました!
〜後編につづく〜